学習院創立150周年記念

学習院創立
150周年記念

「うんどうかいのうた」

作詞:杉山 勝栄、作曲:高橋 利根子

01. 制定経緯、児童の習得時期について

大澤この歌は昭和31(1956)年から歌われています。作詞したのは第9代初等科長の杉山勝栄先生です。
威厳のある国語科の先生で、私が初等科在学時の科長でした。
作曲は高橋利根子先生です。音楽科の担当で、私がリコーダーを吹けるようになったのは、高橋先生のご指導のお陰です。先日(令和5年9月)お電話したのですが、現在95歳になられ、健やかにお過ごしの様子でした。
この歌は毎年10月中旬に開催する運動会の開会式で歌います。2学期に入ると、音楽の授業や全校朝礼の時間に練習をします。練習を重ねるごとに、子どもたちの声は大きく元気になっていきます。

02. 「はたとかぜ」の表現について

大澤1番の冒頭に「なるよはたかぜ」、2番の最後に「はたもいっしょに ゆれるよはずむ」とあります。
初等科の運動会では毎年万国旗を掲げています。旗が風に吹かれ、パタパタと快い音が聞こえるような情景を歌にされたものと推察されます。
万国旗は6年生の女子が1つ1つ紐に取り付けて、当日の朝吊るす作業をしています。

03. 「四谷のおか」について

大澤1番にある「四谷のおか」とは、初等科は四谷の小高い丘の上にあるのですが、歌が作られた当時、初等科周辺の木々はまだ低く、遠くに富士山が見えるほどだったことから表現されました。
初等科と隣接する迎賓館はほぼ同じ高さですが、迎賓館西門からさめはし門に向かって谷になっていますし、上智大学の手前にあるさなぼりに向かっても谷になっている起伏のある形状です。

04. 「あかかてしろかて」の変遷について

大澤3番にある「あかかてしろかて」という歌詞は、一時期「あかきいあおかて」に変更して歌っていた頃がありました。昭和の末ごろ(1980年末)までは1クラスの児童を赤白2チームに分けて競いあっていましたが、クラスごとの対抗戦にしたほうが盛り上がるのではないかと話し合い、各学年のクラス数も3クラス(東・中・西)あったことから、赤、黄、青の3チームに分けての対抗戦に変更し、歌詞を変えて歌っていました。
その後、平成17(2005)年に3クラスから4クラス(東・西・南・北)編成になりましたので、運動会は以前の赤白対抗戦に戻し、歌詞も元に戻るという変遷がありました。ただし、2クラスが赤、2クラスが白で、毎年組み合わせを変えています。

05. 「ただしくつよく」という表現について

大澤第18代安倍能成院長の「正直と思いやり」という教えにもとづく、ルールを守って正々堂々と戦う精神は、3番に出てくる「ただしくつよく」という歌詞にも表現されています。私も子どもたちには、「たとえ負けても最後まで精一杯力を尽くし、堂々とゴールしましょう。たとえ結果が最下位であっても、価値ある順位なのです。」と話をしています。

06. 「大いちょう」について

大澤初等科のシンボルツリーである大銀杏が3番の最後に「あの大いちょう」と歌われています。昔は運動会の頃に実をつける銀杏を踏まないように気をつけていました。現在は運動会の前に銀杏に水をかけて落としていますので、その心配はなくなりました。
平成17(2005)年、新教室棟(西館)を建てる際に、大銀杏の太い枝を剪定したことで木が弱ってしまい、実をつける数は昔より少なくなっているように思います。銀杏は用務員の方が皮を剝いて乾かした後、給食でいただきます。

07. 初等科オリジナルの競技について

初等科運動会 十字綱引き
昭和28(1953)年10月18日

大澤初等科には特徴的なオリジナルの競技がいくつかあります。昭和初期から続く「十字綱引き」、「だるまはこび」は現在も続いています。児童に人気のあった「漢字あわせ(漢字のへんつくりをあわせる)」や先生方の競技は残念ながら今は行われていません。

今年(令和5年)は10月14日土曜日が初等科の運動会で現在一生懸命練習に励んでいます。閉会式には、みんなで「学習院初等科ばんざい!」と締めくくるのが恒例となっており、昔も今も児童にとっては、たいへん楽しみな行事です。