学習院創立150周年記念

学習院創立
150周年記念

「月の桂」

昭和9(1934)年、貞明皇后下賜、作曲:松島 彜

01. 制定経緯について

貞明皇后
毎日新聞社「天皇四代の肖像」より

増渕御歌みうた 「月の桂」は、昭和9 (1934)年にてい明皇后めいこうごうより下賜かしされました。しょうけん皇太后こうたいごう より賜った教えに従い、高い理想を掲げて努力を続け、卒業して世の中に出て行く時も、学んだことを決して忘れず、力を尽くしていくことを説いています。
作曲者は女子学習院教授を務め、「金剛石」「水は器」の編曲者でもある松島まつしま つねです。
昭和12 (1937)年の卒業式から、「金剛石」「水は器」に代って歌われ、現在も歌い継がれています。

02. 御歌の意味するところ

「月の桂」色紙
貞明皇后御親筆(内閣印刷局による複製)

増渕「桂」は古代中国の伝説で、月に生えているという桂の木(月桂)を指しており、高い望みや目標のたとえです。
みんなで仲良く、学問の道をまっすぐに進んだならば、とても高い目標を掲げることもできるだろうし、高い望み(月の桂)を遂げることができるという意味が込められています。

03.「月の桂賞」について

「月の桂賞」贈呈の様子

増渕本学では卒業を迎える高等科3年生に向けた「送別学芸会」という行事があります。毎年3月中旬、中等科1年生から高等科2年生までの下級生が、お世話になった高等科3年生に楽しんでもらおうと学年ごとに一生懸命練習し、本番に臨みます。
演目が重ならないよう、中等科1年生は合奏・合唱、中等科2年生は童話をもとにした演劇、中等科3年生は日本の演劇、高等科1年生は西洋の演劇、高等科2年生は自由となっています。劇中では宝塚歌劇団のごとく男性役を演じる生徒もいて、大いに盛り上がります。
審査は高等科3年生が行い、最優秀学年には「月の桂賞」が授与されます。どの学年も「月の桂賞」を目指して一致団結し、準備を重ねますが、その取り組みも、御歌の意味するところを体現しているといえます。