学習院創立150周年記念

学習院創立
150周年記念

「はなすみれ」

大正12(1923)年、貞明皇后下賜、作曲:信時 潔

01. 制定経緯について

「はなすみれ」色紙
貞明皇后御親筆(朝日新聞社による複製)

増渕御歌みうた「はなすみれ」は、大正12(1923)年にてい明皇后めいこうごう(大正天皇の皇后)より下賜かしされました。謙虚な心を持つことの大切さを説いている御歌です。
作曲者は東京音楽学校教授 信時のぶとき きよしです。大正13(1924)年の卒業式で初めて歌われましたが、翌14(1925)年に信時自身が「もっと女学生が懐かしみを持った曲にしたい」と変更を決め、昭和12(1937)年に現在の曲となりました。

02. 多摩御陵参拝について

昭和46(1971)年 多摩御陵参拝の様子

増渕かつては三年に一度、全学年で多摩御陵を参拝し、貞明皇后の御陵前で「はなすみれ」を歌っていました。その後は毎年中等科1年生と高等科1年生が多摩御陵参拝を行っていましたが、平成元(1989)年が最後となりました。
現在は式典等で歌う機会は残念ながらありませんが、中等科1年生の古文や音楽の授業、高等科1年生の声楽の授業で学びます。
「はなすみれ」の旋律は、1オクターブの躍動があって、音程をとるのが難しい特徴的な旋律ですが、卒業生には、在学中の学習や多摩御陵参拝の思い出とあいまって、心に深く刻まれた大切な御歌です。

03. 受け継がれる御心

学校誌「はなすみれ」

増渕昭和45(1970)年から毎年発行されている学校誌(一年間の行事や生徒の文芸作品などを掲載)の書名として、「はなすみれ」の名を今も残しています。
また、本学の同窓会組織である「一般社団法人常磐会ときわかい」のロゴマークもすみれの花が施されており、貞明皇后の御心は今もしっかりと本学に受け継がれています。

一般社団法人常磐会ときわかいは、学習院女子中等科・高等科の同窓会です。前身である華族女学校において、明治28年(1895年)に創立され、令和7年には創立130年を迎える歴史ある同窓会組織です。
名称の「常磐会(ときわかい)」はいつまでも変わらないこと、あるいは木々の葉が常に緑であることの意で、華族女学校第4代校長の細川潤次郎先生によって命名されました。